外壁塗装の塗料

外壁塗装の塗料の画像

「外壁塗装工事」とは、建物の外壁の塗装を塗り直すことで美観を保ち、建物をさまざまなダメージから守るために行われる工事のことです。家の外壁は、紫外線や風雪による劣化などで日々ダメージを受けています。その際に外壁に塗られている塗装が、建物そのものを防御してくれる役割を果たしていますが、時間が経つほどにダメージは蓄積され、塗装は劣化していくのです。そのため、定期的に外壁塗装を塗り替える必要があります。

はじめに知っておくべきこと

使用する場所によって適切な塗料を使う

外壁塗装がどのくらい耐用年数があるのかは、どのような塗料を用いるのかによって違ってきます。 塗料によりさまざまな用途があり、どれを用いるかはその建物の現在の状況や、考えられる災害、見た目や工事のしやすさなどで判断する必要があります。

例えば「アクリル系」の塗料はコストが割安で済むため、コストパフォーマンスに優れています。しかし、耐用年数は5年から8年程度とされています。「ウレタン系」塗料は、アクリル系よりも紫外線に強く、水弾きが良いとされ、耐用年数は6年から10年と言われています。「シリコン系」塗料は紫外線に強く高価になりますが耐用年数は長めで、8年から15年程度となっています。「フッ素系」塗料は外壁用塗料としてはもっとも耐用年数が長く、12年程度から20年程度も持つとされています。

アクリル系塗料

「アクリル系塗料」とは、アクリル系合成樹脂を主成分とする塗料全般を指します。価格の安さと発色の良さなどで人気がありましたが、屋外の環境での耐久性に乏しいことなどから、現在では塗り替え用として使われる例は少なくなっています。

アクリル系塗料は、価格の安さが最大の魅力です。また、発色が良く重ね塗りなどの施工性にも優れています。高温でも変色しにくく、独特のツヤ感と滑らかさを持つので、デザイン性を重視したい場合や、鮮やかさを強調したい場合にはある種の「絵の具」的な使い方ができます。短期間のサイクルで塗り替える予定がある場所や、期間限定のディスプレイのような塗装、室内の壁などには適しているでしょう。また、他の塗料と比較して透湿性が高いため、湿度が滞留しやすい軒天井などには向いているとされています。

新築からしばらくの間、モルタル壁などは伸縮するため外壁の塗装に「クラック」が生じやすいものです。このため、業者の判断で塗り替えを見越して最初にアクリル樹脂塗料を使うことがあります。アクリル系塗料は、塗料の価格の安さが最大のメリットですが、耐候年数が短い場合は塗り替えのコストを十分考慮し、用途に合った選択をすることが大切です。

ウレタン系塗料

「ウレタン系塗料」とは、ウレタン系樹脂を主成分とする塗料全般を指します。ウレタン系塗料は、塗膜が柔らかく密着性に優れ、価格・耐久性・機能性などにおいて最もバランスが良いことから万能塗料とも言われ、ひと頃までは塗料の主流として様々な用途に用いられていました。

また、適切な下地との組み合わせで細部の塗装にも適しているため、現在でも木質や塩ビ製雨樋などの細かな箇所の塗装にはウレタン系塗料を使用することが少なくありません。

ウレタン系塗料の耐久年数は一般的に8~10年程度で、アクリル系塗料よりは優れていますが、シリコン系塗料には劣ります。その他、防汚性や紫外線への抵抗力など、他の塗料よりやや劣る点も見られます。また、光沢のある仕上がりが長続きするものの、変色しやすい点もデメリットの一つでしょう。

一般的にウレタン系塗料は、硬化剤を使う2液型の仕様です。硬化剤を混ぜた時点ですぐに化学反応による硬化が始まり、三次元の網目構造を形成して緻密な塗膜を作ります。ちなみに硬化剤の量が多いほど網目構造の密度が高まり、塗膜の性能は向上します。ウレタン系塗料は硬化剤の比率によって作業性や塗膜性能が変わります。主剤と硬化剤の比率が10:1の速乾ウレタンは作業効率が良く小さな範囲の補修もしやすいため、現在ではウレタン系塗料の主流となっています。

シリコン系塗料

「シリコン系塗料」はアクリル系塗料の一種で、外壁塗装には欠かせない塗料です。一般にはフッ素系が最も高いグレードを誇っていますが、その次に高いグレードであるのがこのシリコン系となっています。

シリコン系塗料の耐久年数は8年~15年で、現在の外壁塗装の成分の中では最もコストパフォーマンスと内容に優れた素材であることは間違いでしょう。また、雨や泥を弾くためのコーティングもできるため、塗装後も長期にわたって美しさが保たれます。

シリコン系塗料による外壁塗装は、コストパフォーマンスと外壁塗装の効果では他の塗料と比較して最も優れた特徴を持ち合わせています。シリコン系塗料よりもグレードの高い塗料であるフッ素系塗料は、シリコン系よりも内容的には優れているものの、コストパフォーマンスの面ではシリコン系塗料に劣る面もあるため、一般的にはまだまだ流通していない部分もあります。その点、シリコン系塗料は多くの外壁塗装で使用されており、愛用者が多く、耐久性にも優れているのが何よりの特徴と言えるでしょう。

シリコン系塗料は塗る部分に合わせて塗料を使い分けることが可能であるため、その環境に適した塗装を行うことができます。これは外壁塗装後も美しさと仕上がりを維持していくために不可欠なことであり、シリコン系塗料の特徴を活かせる部分でもあるのです。

フッ素系塗料

「フッ素系塗料」は外壁塗装で使用される塗料の一つで、アクリル系塗料やシリコン系塗料に比べて寿命が長いのが最も優れた特徴です。また対候性に関してはその他の塗料と比べて格段に高い効果を発揮し、外壁塗装に求められる耐熱性や耐寒性にも優れた効果を発揮します。

そんな機能を持ち合わせるフッ素系塗料ですが、逆にクオリティが高いため、一般住宅に使用するには価格が高いのがネックで、外壁塗装としてはまだまだ一般化されていません。しかし機能的には抜群の効果が期待できるので、屋根などにこのフッ素系塗料が活用される取り組みが広まっているようです。

航空機の外壁塗装にも使用されているフッ素系塗料は、耐久性に優れた機能だけでなく、外観も長期的に保つ効果も期待できます。そのため美観意識の高い企業の外観、飲食店などにはこのフッ素系塗料が採用されており、長期に渡って外観を守っています。また雨が降った時に外壁に付着した汚れが、すぐに落とせるようコーティングされるので、美しさをいつまでも保っていたい場所にも最適でしょう。

そして、一度フッ素系塗料を行えば長期的な外壁コーティング効果があるので、何度も外壁塗装をする手間を省くことができます。耐熱性と耐寒性にも優れたフッ素系塗料は、今後も需要が高まっていくことは間違いないでしょう。

遮熱塗料

外壁塗装において、近年関心が高いのが遮熱・断熱効果のある塗料です。都市部では特に、夏場の厳しい暑さをしのぐために冷房を一日中かけ、冬場もエアコンによる暖房は必須ですよね。ある調査によれば、一般家庭の年間電力消費量のうち、エアコンはおよそ4分の1を占めるといいます。そこで、特に夏場の光熱費の削減につながる遮熱・断熱塗装が脚光を浴びているのです。

一般的な「遮熱・断熱塗料」は、太陽光に含まれる近赤外線を反射させ、熱侵入を防ぐ仕組みです。屋根に塗装した場合の測定実験では、屋根の表面温度が未塗装に比べて約15℃、室内は約3℃ほど下がる結果となりました。このように、遮熱・断熱塗装は蓄熱を抑えて光熱費を減らせるだけでなく、環境負荷も軽減でき、特に夏場の節電対策につながります。

水性の断熱塗料である「断熱ガイナ」は、紫外線に強い特殊セラミック粒子を多層化して配合し、太陽熱を反射・放射させるとともに均衡化させることで建造物の温度上昇を抑えます。素材が熱を蓄えないので手で触れることができますし、エアコンの冷気の温度に近づく性質があるので、無駄な電力消費を抑えて大きな省エネ効果につなげます。無機系の水性塗料なので有機溶剤が不要で安全、かつ高い耐久性を保ち、汚れにくいなど様々なメリットで評価を得ています。

光触媒塗料

「光触媒塗料」を用いた外壁は、光が当たることで汚れを分解して浮かせ、雨が降るとその雨水により浮き上がった汚れを流すことができるようになります。薬剤を使って掃除をしなくても、太陽と雨という自然の力だけで綺麗な外観を保ってくれるのです。さらに、光触媒には空気を浄化する特徴もあるため、環境問題の改善と言う面でも注目されます。

光触媒塗料まだ施工実績が少ないためはっきりとした耐用年数は断言できませんが、メーカーは約20年持つとしています。現在最も人気のあるシリコン塗料の耐用年数は長くても15年程度なので、20年の耐性とすると、格段に長持ちといえます。ただし、下地が割れたりはがれたりした場合は光触媒塗料にも影響してくるので注意が必要です。

光触媒の一番のメリットは、何といっても汚れが付きにくいこと。太陽の紫外線と雨で汚れが落ちるため、実際に使用している方からの評判も良い塗料です。カビや藻の心配もありません。また、光を当てると有害物質や細菌などを除去することができ、周囲の空気を浄化してきれいに保つことができます。空気清浄機能は防臭にもなります。

デメリットを上げるとするなら、第一に普及が進んでいないため価格が高いこと。一般的な外壁塗装工事よりも1.5倍近い価格が想定されます。