外壁塗装の工程を知って、ムダなトラブルは回避せよ

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外壁塗装を依頼する際、無用のトラブルを避けるために、工程を知っておくことは大事です。工程を知っておけば、万が一業者が手抜きをしようとしても、見積もりの段階でそれを指摘できるし、各工程で大切なことが抜けていないかも確認することができます。

はじめに知っておくべきこと

外壁塗装の基本工程

外壁塗装の基本工程

近隣へのご挨拶を忘れずに

まず外壁塗装の作業工程は、天候にもよりますが、約1~2週間で完了します。作業の行程は大体全部で10ほど。でもその前に、近隣へのご挨拶を忘れずに。工事着手前に、必ずご近所の皆様に挨拶して、作業内容の説明と物音と匂いがすることをお詫びしておきましょう。業者もするでしょうが、施工主であるあなたも別にやるべきです。

ひとつひとつの工程が大切

さて、現場周辺を業者がチェックし、問題がないか確認し終わったら、いよいよ施工開始です。まずは塗装作業をスムーズに進められるように、足場と周囲に塗料が飛散するのを防ぐためのネットを設置します。

つぎは高圧洗浄。外壁全体の塗装面に付着した汚れやホコリや藻などの汚れを高圧の水流で洗い流します。塗料の付着が良くなり、質の高い仕上がりにつながります。

つぎは養生。塗装しない部分を覆い保護する作業工程で、見切りをきれいに見せる欠かせない作業の一つです。次に外壁の亀裂や欠損部などを補修します。また必要に応じて、壁のつなぎ目や窓のサッシュ周り等の既存のコーキングを撤去し、新しいコーキングを注入します。これらの作業を怠れば、ヒビ割れが起こったり、水が浸入して外壁材の腐食や雨漏りの原因になったりします。

そうした下地処理が終わると、外壁塗装の第一段階である下塗りです。下塗りには、外壁と塗装を定着させるための接着剤的な役割もあります。そして中塗り・上塗り工程。塗膜の厚みを確保するためにまず中塗りを行います。次にインターバルを置いて塗膜に十分な厚みを持たせるため最後の仕上げとして上塗りを行います。その後雨樋や天井などの破風部分の塗装を行います。

それが終われば養生を撤去し、施工主立ち会いのもとで、全体の仕上がりを確認します。問題なければ仮設足場を解体撤去し、清掃して施工完了です。

色の打ち合わせ

色の打ち合わせ

洋服や携帯電話の色を選ぶ時には好きな色を選べばすむでしょうが、外壁塗装の色は、より熟慮が必要です。10年ほどはその色を使い続けることになりますし、気軽に交換するわけにはいきません。

色見本帳から選ぶ

外壁塗装で色を決める際、業者は色見本帳を持ってくると思います。そのほとんどが「日本塗料工業会」の発行した色見本帳です。けれどこの見本帳は、発行された年度と版記号によって色が微妙に違うことがありますので、注意しましょう。またその色見本帳には、外壁の色にふさわしくない色、色あせしやすい色なども載っていますので、選ぶ場合には業者によく相談しましょう。

色を表す記号でマンセル値というものがあります。これは色を明度・彩度・色相という、色の三要素で分けて数値で表している物です。しかしマンセル値での発注では混同しやすいので、避けましょう。色の指定間違いや勘違いによって、仕上がりに満足出来ない施工例も多くありますから、色選びは慎重の上にも慎重に。

太陽光の下で確かめる

色見本帳を参考にする際は、太陽光で確認しましょう。蛍光灯と太陽光では、色の感じ方が全く変わってしまいます。例えば、蛍光灯の下では白っぽく見えていた物が、白熱灯の下では少し黄色に近い色に見えるように。実際に外壁がさらされるのは屋外、つまり太陽光の下で映える色を選びましょう。

色に関してはまだ注意すべき点があります。

白や黒は、汚れが目立ちやすい色として外壁にはあまり向いていません。一般住宅の外壁は経年劣化とともに確実に汚れがついてしまう上に、塗装の力が失われた後の時間の方が長いので、汚れは目立ちにくい色にした方が無難です。

窯業系サイディングボードや、金属系のサイディングボードには真っ黒の漆黒のイメージがありますが、それでも実はキズやちょっとした汚れが全部白く際立ってしまうので、近づいてみると汚れが目立つ傾向があります。色が決められない場合は、業者に相談して色をいくつかピックアップしてもらいましょう。

足場の組立

足場の組立

塗り替えを行う際には、足場を組み立てる必要があります。工事現場などでよく見かける、建物の周りをぐるりと覆っているあの金属や木製の足場です。

足場を組むメリット

足場のない工事もありますが、塗装工事は、下から上へ何度も行き来することになります。作業の効率化をはかり、工事現場の安全性を高め、安定した作業を行うことができるようにするため、足場を組んだほうがスムーズです

また足場を組む場合は、塗料の飛散防止の目的で足場に飛散防止ネットを取りつけるため、足場を組まない場合に比べて塗料が飛散する心配が少なくなるというメリットもあります。 足場費用は見積もりで、「平米当たり○○円」と表記されている場合が多く、稀に一式○○円となっている場合もあります。おおよそどこも相場は500~700円/平米あたり程度に、足場の周りを覆っているグレー色のメッシュシートの養生シートが、100~200円/平米あたり程度です。

「足場代」にご注意

繰り返しになりますが、どんなに上手い業者でも養生シートがなければ塗料を塗っている際に周辺に塗料が飛び散りますので、シートは必ず必要です。そして、シートをかけるにはそれをつける枠組みが必要ですから、その意味でも足場を組むのは理にかなっています。足場費用と養生シート費用の相場は、合計で600~900円/平米程度です。これには地域差があり、値段に幅があります。

注意したいのは、時々「足場代無料」や「足場代半額」と謳っているものがあることです。もちろんその費用分は見積もりのどこかに紛れ込んでいます。残念ながら足場費用は通常戸建てを塗り替える場合は10~15万円程度はかかりますので、無料という事はありえません。

足場の平米計算ですが、足場は外壁から少し離れた位置である外側に設置するため、実際に塗り替えを行う外壁の面積よりも大きくなります。おおよそですが塗り替えを行う面積の1.2~1.3倍程度の平米が計算面積となります。

高圧洗浄【水洗い】

外壁塗装工事の中でも特に大切な作業の一つが、「高圧水洗浄」です。新築であっても10年経てば、外壁や屋根に相当のゴミやほこり、カビなどが付着してしまいます。特に屋根はかなり汚れています。

仕上がりが美しく塗装効果も高まる

砂で汚れた傷口に、そのまま絆創膏を貼る人はいませんよね? まずは傷口についている砂を洗い落とします。外壁の塗り替えも同じことです。ゴミなどが付着している面に塗装を行うのか、綺麗な面に塗装をするのかでは付着強度が大きく異なります。サイディングなどの外壁は、軒がしっかりとある家であれば、雨の汚れも付着しにくく、そこまで汚れが堆積していません。けれど屋根は、汚れが相当堆積していますので、特に入念に時間をかけてしっかりと高圧水洗浄を行う必要があります。

基本的に、しっかりと水洗浄を行おうと思えば丸1日かかります。まれに水洗浄を行わない塗装業者もありますが、これは問題外です。悪徳とまでは言えないまでも良い業者ではないので、注意しましょう。

表面を薄く削ぎ取る作業

高圧水洗浄は、外壁や屋根面の汚れや旧塗膜を水で洗い流す作業です。専用の洗浄機に水を入れて噴射して、強力な水圧で汚れを落とし、塗装面を綺麗にして塗料の付着をよくする、下処理でも重要な作業です。

高圧水洗浄をより正確に言えば、洗い流すというより外壁や屋根の表面をうすく削ぎ取る作業です。使う水圧ですが、汚れがひどくない場合は80~100気圧、汚れが激しい場合は120~150気圧で水を噴射します。この水圧は、コインパーキングにある洗浄機の2倍くらいであると言われていますから、かなりのものですよね。

高圧洗浄の単価は100~300円/㎡です。外壁・屋根塗装の費用の中では安い部分なので、この料金を相場よりも高くするような業者は、あまりいません。しかし、500円/㎡以上する場合は注意しましょう。トルネードタイプやバイオ洗浄タイプでも、せいぜい300円前後です。逆に安すぎる場合には、洗浄を適当にする可能性もありますので、これも注意が必要です。

コーキング工事

コーキング工事

コーキング工事、またはシーリング工事とは、外壁サイディングのボードとボードの継ぎ目をシーリング材で埋める工事のことを言います。コーキング工事のおもな目的は、雨漏りを防ぐ防水性の確保です。しかし新築時は塗装をせずに、シールがむきだし状態の場合が多いため、紫外線が直接あたり劣化してしまいます。

コーキングの寿命

環境にもよりますが、コーキングの劣化は約5年を過ぎたあたりで始まります。そして経年劣化が始まると、防水性や伸縮性が失われ、雨漏りや外壁のひび割れの原因となります。建物全体に影響を及ぼす前に、なるべく早めに信頼できる業者へ相談しましょう。

コーキング工事を検討する時期ですが、次のような症状が確認できた場合は、雨漏り等の実害が生じる前に早めに対処しましょう。

  1. シーリング表面のひび割れ
  2. シールそのものの肉や
  3. シーリングのはく離

劣化症状を確認しましたら、早めに信頼できる塗装業者に現在の状況を確認してもらいましょう。

コーキングの種類と特徴

コーキングは様々な種類と特徴があります。アクリル系コーキング材はおもに、新築時のALCパネル目地などに使用されます。安価ですが耐久性が低いのが難点です。ウレタン系コーキング材は、ALC外壁やサイディング外壁の目地やサッシまわりに主に使用します。紫外線には強くありませんが塗装との密着が良いのが特徴です。

変成シリコン系コーキング材は、新築のサイディング外壁に向いており、紫外線には強いのですが、塗装との密着はよくありません。シリコン系コーキング材は耐久性、対侯性、耐熱性が良く、主にキッチンや浴槽など水周りに使われます。

コーキング材の中で、外壁用によく使われるのが、ウレタン系コーキング材と変成シリコン系コーキング材です。新築時のサイディング外壁には、紫外線に強く耐候性のある変成シリコン系コーキング材が良いでしょう。コーキング工事後に塗装する場合には、塗装との密着が良いウレタン系シーリング材が良いと思います。

塗装【下塗り・中塗り・上塗り】

外壁塗装工事は三度塗りが基本です。もちろん、塗料や仕上げ方や会社の方針で、それ以上の回数を塗ることもあります。下塗りを一度、上塗りを二度。上塗りが主に塗料の膜、塗膜を外壁に作り、美観にも影響する主役のような塗料ですが、実は下塗り塗料も非常に重要な役目を果たします。

三度塗りって何をする?

「下塗り」工程。高圧水洗浄やコーキング工事などの下地処理完了後に、外壁塗装の第一段階である下塗りを行います。下塗りには、外壁と塗装を定着させるための接着剤的な役割もありますから、外壁塗装の重要な作業工程で必ず行います。

下塗り工程が終われば、「中塗り」と「上塗り」工程です。塗膜の厚みを確保するためにまず中塗りを行います。次にインターバルを置き、中塗りが十分に乾いてから、さらに塗膜に厚みを持たせるため最後の仕上げとして、上塗りを行います。三度塗りの後、雨樋や天井、鉄部や目部などの破風部分の塗装を行います。アクセントになる大事な部分ですので、きれいに仕上げます。

塗料にも相性あり

新築物件でもない限り外壁塗装リフォーム工事は、劣化した外壁に塗る作業です。外壁や屋根が木で出来ていようがコンクリートで出来ていようが、経年劣化で古くなっていることだけは、間違いありません。その劣化した外壁では、塗料を新築時以上に吸い込んでしまったり、所々むらが出来てしまったりします。

そういったことが起こらないよう、後から塗る上塗り塗料をしっかりと塗れるように、そして長期間家を守り続けられるように塗るのが、下塗り塗料です。

下塗り用塗料は下地の状態や材質によって変えねばならず、上塗り塗料と相性の良い下塗り塗料は決まっています。塗料の相性に関しては、大手メーカーの塗料用カタログを参考にしましょう。上塗り塗料のカタログには相性の良い下塗り塗料が、下塗り塗料のカタログには相性の良い上塗り塗料が書いてあります。それぞれの塗料の乾燥時間まで知ることが出来ますから、見積書にはメーカー名と塗料名を記載してもらいましょう。